この記事では、要介護状態になる要因の約1割を占める「転倒・骨折」について記載します。転倒・骨折の件数、発生場所等の状況や分析をしていきます。適切な筋トレを行うことで、この転倒・骨折は確実に減少させることができ、健康寿命の延伸につながります。
転倒・骨折の現状
高齢者の日常生活事故発生状況
東京消防庁の管内では令和元年には83,905人が救急搬送されています。全体の救急搬送数が約14万5千人ですので、約半数を高齢者が占めています。
救急搬送の原因
平成27年からの5年間の救急搬送の原因は約8割が「転倒」によるものです。
(単位:人・%)
原因 |
転倒 | 落下 | ものが
つまる |
ぶつかる | 切る・
刺さる |
溺れる | その他 |
合 計 |
人数 |
273,491 |
34,986 | 8,435 | 6,750 | 2,825 | 2,702 | 4,045 |
333,234 |
割合 |
82.1 |
10.5 | 2.6 | 2.0 | 0.8 | 0.8 | 1.2 |
100 |
「転倒」事故による高齢者の初診時程度
令和元年で緊急搬送された高齢者の初心時程度別では、約4割の高齢者が入院の必要がある中等症以上と診断されています。
(単位:人・%)
程度 |
軽症 | 中等度 | 重症 | 重篤 | 死亡 |
合計 |
人数 |
36,950 |
22,529 | 294 | 41 | 2 | 59,816 |
割合 |
61.8 | 37.6 | 0.5 | 0.1 | 0.0 |
100 |
軽症:入院の必要がないもの
中等症:生命の危険はないが入院の必要があるもの
重症:生命の危険が強いと認められたもの
重篤:生命の危険が切迫しているもの
死亡:初診時に死亡が確認されたもの
転倒の発生場所について
転倒の発生場所では、「住宅等居住場所」が最も多く、次に「道路・交通施設」となっています。「住宅等居住場所」の33,524人を屋内と屋外に分けてみると、屋内での発生が30,815人で9割以上を占めています。また、住宅等の屋内の発生だけで、「転倒」が事故全体の5割以上を占めています。
(単位:人・%)
事故発生場所 |
住居等
居住箇所 |
道路・交通施設 | 店舗・
遊戯施設等 |
会社・
公共施設等 |
その他 |
合計 |
救急搬送人員 |
33,524 |
20,609 | 3,405 | 719 | 1,559 |
59,816 |
割 合 |
56.0 |
34.5 | 5.7 | 1.2 | 2.6 |
100 |
まとめ
上記の情報をご覧になっていかがでしょうか?きっと想像以上に多く、深刻だったのではないでしょうか?
転倒は最も身近な事故であり、重大な事故でもあるのです。
それだけではなく、転倒は負の連鎖のはじまりになりえます。
〇「転倒→寝たきりになる→要介護になる」
〇「家の中で転倒→外に出かける自信がなくなる→引きこもる」
〇「転倒→慎重になり、活動量が減る→引きこもる」
〇「親が転ぶ→周囲があれもこれもさせなくする→前向きに考えられなくなり高齢うつになる」
等のパターンも珍しくありません。
転倒は人生の質に大きく影響します。
転倒をしないためにも筋肉をつける必要があります。
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