この記事では、セット間の休憩について解説します。
これまでは「1分~1分30秒の短い時間が筋肥大には最適」などの情報が一般だったと思いますが、最近の研究ではそうでもないということが解明されてきました。
そこで、筋トレの効果を最大化するためのセット間休憩はどう設定すればいいのか、考え方についてします。
セット間の休憩の取り方
結論、効果的なセット間休憩の取り方は、「次の種目が全力でできるようになるだけとる。(ボリュームが落ちないようにする)」ことです。
そのため、高重量を扱うときには、長いセット間休憩が必要になります。
※十分に休めていない状態で次のセットに入ると、フォームが安定せず危険な可能性があります。
※セット間休憩を決め、保つことで筋力の推移をチェックしやすくなりますが、無理に休憩時間を短くして挙上重量や回数を犠牲にしないようにします。
筋肥大には、あくまでトレーニングボリュームが大切であり、ボリュームが少なくならないよう疲労が抜けるまで休憩するということです。
ボリュームについてはこちらの記事(筋トレで効果を出すための挙上回数・重量・頻度とボリュームについて)で解説しています。
「成長ホルモン」と「代謝性疲労」について
セット間休憩と関連の深い「成長ホルモン」と「代謝性疲労」についても解説します。
成長ホルモン
1980年~2000年代初頭の研究で、高ボリュームのトレーニングやセット間休憩の短いトレーニングを行ったときに筋肥大が起こり、かつ成長ホルモンの上昇が見られたことから、成長ホルモンの分泌量が増えると筋肥大を促すと考えられるようになりました。
そこでセット間休憩を短くすれば、成長ホルモンの分泌を促し、筋肥大につなげられるという考え方が広く受け入れられることになりました。
しかし、ここ数年で、トレーニングへの反応で起きる程度の成長ホルモンの分泌量の変化では、筋肥大には影響しないという研究結果が出てくるようになりました。
さらに、自然に分泌される量を超える成長ホルモン注射を用いた研究でも、筋肥大を促す効果は確認されませんでした。
つまり、成長ホルモンの分泌のためにセット間休憩を短くする必要はないということです。
代謝性疲労
筋力トレーニングを行うと、代謝性の疲労物質が筋肉内に発生し、筋肥大を促す要因になります。
セット間休憩を短くして、疲労物質が抜けきらない内に次のセットに入れば、筋肥大を促せるという考え方もありますが、セット間休憩が短くなり、次のセットで扱える重量やこなせる回数が減ってしまうと、トレーニングボリュームを維持できなくなる可能性が高くなります。
ボリュームが減ると疲労物質の量も減るため、この考えでも筋肥大のためにセット間休憩を短くすることは賢い選択とは言えません。
まとめ
効果的なセット間休憩の取り方は、「次の種目が全力でできるようになるだけとる。(ボリュームが落ちないようにする)」ということです。
そのため、疲労度が高く息も上がりやすい、スクワットやデッドリフトは休憩時間がながくなると思います。私もコンパウンド種目においては、基本的には3分以上とっています。
反対にアイソレーション種目においては、1分半程度で行っています。
個々で回復力や体力は異なるため、ご自身の身体と気持ち(心)と相談して、休憩時間を決めてください。
参考になれば幸いです。
コメント