この記事では、筋肉をできるだけ減らさない中高年のダイエットの具体的な手順について記載をします。
今回は目標の決定・摂取カロリー・PFCバランスの設定方法を解説します。
この設定を誤ると、体に大きな負担を与えてしまったり、筋肉をごっそり減らしてしまったり、そもそも体重が減っていかない等の事態になる可能性があるため、必須の知識になります。
摂取カロリーの計算は、一見大変そうではありますが、ダイエットで効果を出すために必要です。
私も感覚で最初にダイエットを行った結果、カロリーを減らしすぎてしまって体調を崩したり、反対にカロリーを摂りすぎていて全く体重に変化がなかったりしたことがあり、カロリー設定や記録について重要性を肌で感じています。
まず、この記事の要旨です。
・無理のない減量のぺースは「週あたり体重の0.5~1%」
・「目標の摂取カロリー」 = 「現在の摂取カロリー」 - 「減らすべきカロリー」
・理想のPFCバランスは、P(たんぱく質)は体重の2倍、F(脂質)は総摂取カロリーの20~25%、C(炭水化物)は残りのカロリー
それでは、順を追って解説します。
目標を決める
まず行うことは「いつまで」に「何kg減らす」のか目標を設定します。
この時に注意したいことは、無茶な目標を立てないことです。無茶な目標は過度にカロリーを減らす必要があり、リバウンドのリスクのアップや筋肉もたくさん減らすことになります。筋肉を減らすことはこの記事でも書きましたが、中高年は特にやってはいけません。
筋肉が減らしにくい最速のペースは、週あたり体重(kg)の0.5~1%程度とされていますので、その範囲に設定しましょう。
【例】
体重70kgの人の場合
【週あたり】 70kg×0.5=0.35kg(350g)~70kg×1=0.7kg(700g)
→0.35kg~0.7kgの範囲で設定
【月あたり】 0.35kg×4週間=1.4kg~0.7kg×4週間=2.8kg
→1.4kg~2.8kgの範囲で設定
目標が設定できたら、1日あたり減らすべき摂取カロリーと現在の摂取カロリーを推定し、1日あたりの摂取カロリーを設定します。
目標の設定カロリー = 現在の摂取カロリー - 減らすべきカロリー
1日あたり減らすべきカロリー(摂取カロリーをどのくらい減らさなければならないか)推定する
「いつまで」に「何kg減らすのか」目標が設定できたら、1日あたりどのくらい摂取カロリーを減らせばよいのか計算をします。
「減らしたい体重÷目標までの期間」で求めることができます。
※前提として、体重を1kg減らすためには、7,200kcalを減らす必要があります。
【例】
「3か月」で「6kg減らす」ことが目標の場合
6(kg)÷3(か月)×7,200(kcal)÷30(日)=480kcal
※1か月を30日と仮定(実際の日数に合わせてください)
これで1日あたりに減らさなければならない摂取カロリーが計算できました。
このカロリーを現在摂取しているカロリーから減らすことで体重が落ちていきます。
現在の摂取カロリーを推定する
方法としては2つあります
(1) 現在食べているものを記録する方法
(2) 体重や身長などから計算をする方法
それぞれ説明をしていきます。
現在食べているものを記録する方法
今の食事からどの程度カロリーをとっているか記録をします。勿論1日1日食べているものが異なると思いますので、その都度記録をします。
1週間程度記録して、平均を計算する方法がおすすめです。
記録の方法は、無料で使えるアプリ「MyFitnessPal」がおすすめです。以下の記事で使い方を解説していますので、使い方等をご存じでなければご覧ください。
カロリー計算・体重管理に必須アプリ「My Fitness Pal」の使い方
この方法のメリットは1週間程度きっちり測ることができれば、現在の摂取カロリーとかなり近い数字を出すことができると思います。
デメリットとしては、記録することを慣れていないと推定カロリーが現実とずれてしまったり、また、毎回食べるものを記録するため手間がかかることです。
体重や身長などから計算をする方法
減量期の摂取カロリーは、自分のメンテナンスカロリーから目標に対応するカロリーを引いたものになります。
まずはメンテナンスカロリーを求めます。
メンテナンスカロリーとは
メンテナンスカロリーとは、今の体重を維持(筋肉が増えも減りもしない)するために必要なカロリー数のことです。このカロリーに、カロリーをプラスにすれば体重は増え、マイナスにすれば体重は減ります。
メンテナンスカロリー = 基礎代謝量 × 運動強度定数
メンテナンスカロリーの計算の仕方
〇基礎代謝量
基礎代謝量とは、1日中全く動かずとも、寝ていていても消費されるカロリーのことです。
基礎代謝量は「ハリスベネディクト方程式」を使用して算出してます。
【ハリスベネディクト方程式】
基礎代謝量 = 13.4 × 体重(kg) + 4.8 × 身長(cm) - 5.68× 年齢 + 88.4
【例】
体重70kg、身長170cm、年齢30歳の男性の場合
13.4×70(kg)+4.8×170(cm)-5.68×30(歳)+88.4
=938+816+170.4+88.4
=2,013kcal
〇運動強度定数
運動定数とは、個人の活動レベルに応じた定数になります。以下が目安です。
運動強度定数 | 目安 |
1.2 | オフィスワークを主とし、普段運動をほとんど行わない |
1.375 | 軽強度の筋トレもしくはスポーツを週に1~3回行う程度 |
1.55 | 中強度の筋トレもしくはスポーツを週に3~5回行う程度 |
1.75 | 高強度の筋トレもしくはスポーツを週に6~7回行う程度 |
1.9 | 高強度の筋トレもしくはスポーツを毎日行いかつ肉体労働に従事している
または、1日2回の筋トレを行う程度 |
私のような筋トレ以外ではあまり体を動かさないデスクワーカーは1.2または1.375で計算をすればいいと思います。
私も実際に1.375程度で最も近かったです。
※私は実際に週5~6で筋トレを行っていますが、1.375くらいが近しい定数でした。普段の活動量の少なさが影響したのではないかと思います。あくまで、これは推定するためとして活用してください。ここで出たカロリーを最初の目標として実施していき、調整していきます。
目標の摂取カロリーとPFCバランスを決める
目標の摂取カロリー
上記で計算したカロリーを使い、目標の摂取カロリーを求めます。
目標の摂取カロリー = 現在の摂取カロリー - 1日あたり減らすべきカロリー
【例】上記で計算したシチュエーションを使います。
※体重70kg、身長170cm、年齢30歳の男性が3か月で6kg減らすことを目標にした場合
2,013(kcal)-480(kcal)=1,533(kcal)
PFCバランスを決める
PFCバランスとは、P(プロテイン/たんぱく質)、F(ファット/脂質)、C(カーボハードレート/炭水化物)の割合(バランス)のことをいいます。減量時にできるだけ筋肉を減らさないような理想なバランスの目安は以下のようになります。
区 分 | 内 容 |
P(たんぱく質) | 体重(kg)×2(g) |
F(脂質) | 総摂取カロリーの20%~25% |
C(炭水化物) | 残りのカロリー |
【例】体重70kgで、総摂取カロリーが1,500kcalの方の場合の計算方法
①P(たんぱく質)
70(kg)×2(g)=140g
カロリーにすると、140(g)×4(kcal)=560kcal
②F(脂質)※25%で設定
1,500(kcal)×25%(0.25)=375kcal
グラムにすると、375(kcal)÷9(kcal)=42g
③C(炭水化物)
カロリー=1,500(kcal)-560(kcal)-375(kcal)=565(kcal)
グラムにすると、565(kcal)÷4(kcal)=141g
まとめると以下のとおりになります。
区 分 | g | kcal |
P(たんぱく質) | 140 | 560 |
F(脂質) | 42 | 375 |
C(炭水化物) | 141 | 565 |
合 計 | 323 | 1,500 |
摂取カロリー数を微調整する
ダイエットが計画通りに進んでいるか判断をするには、経過を確認する必要があります。1日に1回、できれば同じ時間帯に体重を測定し、記録をつけます。
私は朝起きて、トイレに行った後に測定し、「MyFitnessPal」で記録をつけています。
先ほども案内しましたが、この記事で使い方等を解説しています。
カロリー計算・体重管理に必須アプリ「My Fitness Pal」の使い方
そして最初に計画した、週あたりのペースが体重の0.5~1%程度で進んでいることを確認します。
もし、体重の減りが早い場合や遅い場合には、現在のカロリーから100~200kcalほど追加または減らして様子を見てみましょう。
まとめ
今回の記事では、中高年は特に気を付けなければならない筋肉を減らさないダイエット方法の摂取カロリーとPFCバランスについて記載をしました。
参考にしていただければ幸いです。
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